対処法③「ボツリヌス治療」
こんにちは。歯科衛生士の大槻です。
今回は衛生士のコラム「歯ぎしり」の治療法についての最後のコラムです
ボツリヌス治療について
★ボツリヌス治療とは
食べ物を食べる時に使う咀嚼筋、咬筋、側頭筋などにボツリヌストキシンを直接注入する事により、筋肉の緊張感を取ることで症状の改善を図る方法です。有効性は欧米では通常の治療として認知されているのですが、国内では眉間のしわ以外のボツリヌストキシンの使用は使用認可適用外になります。
★ボツリヌストキシンとは
ボツリヌス菌が作り出すA型ボツリヌス毒素(天然タンパク質)を有効成分とする薬です。このタンパク質のごく小量を緊張している筋肉に直接注射すると、その筋肉がゆるみ、緊張や痙攣がおさまることがわかり、医薬品として、利用されるようになりました。
ボツリヌス菌を注射するわけではないので、ボツリヌス菌に感染するといった危険性はありません。
一方ボツリヌストキシンはヒトに由来する成分のアルブミンが含まれており、その製造工程では加熱処理や十分な検査がされているので、肝炎やエイズなどの感染症にかかることはありません。
★治療方法
筋肉の動きを確認するため、力を入れた状態を確認しながら、そこへ適量ずつ注入します。通常麻酔なしで行います。痛みの感じ方は個人差ありますが、強い痛みは感じません。
★効果について
この薬の効果は2、3日〜2週間で現れ、通常3、4ヶ月持続します。その後時間の経過とともに徐々に効果が消失し神経の働きが回復してくるため、注射前の状態が再び現れてくる場合もあります。この場合ボツリヌストキシンを再投与することことによって同様の効果が現れます。
★繰り返しによる効果
効果が弱くなってきたら、繰り返し注射することができます。また、繰り返し注射する事により、改善率が上がっていきます。効果が弱い場合は施術後2〜4週目に追加再投与を行います。
★起こりうる副作用
局所の反応として、かゆみ4% 注射部疼痛2.6% 発疹1.7%などがありますが、通常1〜2日で落ち着きます。まれに腫れが強く出たり、内出血を起こしたりすることがあり、その場合は目立たなくなるまで1〜3週かかることがあります。
★この治療を受けられない方
・妊娠中および授乳中の方は胎児に安全が確立してないないので使用できません。
また、妊娠する可能性のある方(妊活中)はボツリヌストキシンの投与中および最終投与後の2回月経が至るまでは避妊するようにして下さい。
男性はボツリヌストキシンの投与中および最終投与後少なくとも3ヶ月は避妊するようにして下さい。
・アレルギーや発疹など経験した方は主治医に申し出する事
・アミノグリコシド系の抗生物質、パーキンソン病の治療薬、筋弛緩薬(筋肉を和らげる薬)、精神安定剤等の投与を受けている方は主治医に申し出する事
・喘息などの慢性な呼吸器の病気がある方、重度の筋力低下のある方、筋肉の萎縮のある方、緑内障のある方は、主治医に申し出する事
・他の医療機関でボツリヌストキシンの投与を受けている場合は治療対象疾患および投与日、投与量を主治医に申し出する事
・献血(血液の提供)の予定がある方
長い長いコラムでしたが、わかりましたか?
もし、わからないとか気になる方はいつでもスタッフに声かけてて下さい!対応させてもらいます。
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